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対話による戦争終結を目論むショルツ:だがプーチンに丸め込まれる?

ドイツ連邦首相オラフ・ショルツはウクライナ戦争の停戦に向けてプーチンと会談を行う準備ができているとのことである。だが話すことなどあるのだろうか?会談へ招くことがプーチンを動かす可能性は低いと専門家のトーマス・イェーガーは語る。

米国国務長官ブリンケンはロシア外相ラブロフと会談を行う旨を発表する。彼はラブロフに対し、ロシアのウクライナへの侵攻そのものが自国の安全保障を脅かしていると認識していたならば、ロシアと米国は全てにおいて話し合いが可能であると言った。しかしプーチンが半年前に正当化したように、真の目的がウクライナ国家の解体であるならばそれは不可能であろう。

ブリンケンによるとラブロフはこの質問には答えないという。ロシアのウクライナ領、学校施設、病院、エネルギー施設そして都市への絶え間ない攻撃が開始されてから一年が経った今このような疑問が生まれてくる。:プーチンの真の目的はロシアの安全保障なのか、それともウクライナの消滅か?

現状は明らかにウクライナの消滅が目的であるように見える。実際にはNATOによるロシアへの脅威などは存在しないが、宣伝によりロシア側はあたかもそれが事実であるかの如く吹聴する。このような状況でプーチンと会談を行う意味とは?

会談によって明かされるプーチンの世界観

連邦首相ショルツは、プーチンが自らの目標が達成不可能であることを認識した時、この戦争は終結すると常に主張していた。同時にショルツはプーチンと会談を行う姿勢を示し、そこでプーチンの目標達成が不可能であることを断言するつもりである。

いずれにしてもショルツは対話以外の何らかの方法でプーチンの新たな洞察を探り、側近から切り崩していく狡猾な手法を実行する必要があるだろう。さらなる対話に向けてショルツは多くの支持を得ている。だが果たしてこれは賢明なのか?

これは誰が主導権を握るかによって変わる。ショルツがこれを握ることはおおよそ好まれない。推測するに彼はより一層プーチンの世界観の拡大を助長しかねないからだ。

妥協はプーチンの西側世界観に反映される

このため対話への道はすなわちショルツの妥協としてモスクワでは映る。対話への模索は、ショルツが政党、ドイツ国民、経済からの重圧にさらされているとロシア側はこれを裏付ける。

いずれにせよショルツは対話の主導権を取ることと共に、プーチンと異なり戦争の膠着状態に耐えられないことを示唆した。この会談であらわになること、それはロシアの物語により弱体化させられていく西側のおとぎ話である。

ロシアにとってアメリカの犬でしかないショルツ

現在ショルツはプーチンに対し、連邦政府の方針として安全保障上ウクライナへの支援を行なっていることを訴える。そしてショルツはエネルギーでロシアへ依存し紛争地域への武器提供禁止という何十年に渡る伝統を守ってきたドイツがなぜいずれも状況を好転させたのかについて語る。自国やEU諸国にとっては遅すぎる、プーチンにとっては予想外で速すぎる決断であるだろう。

彼はロシアの2つ目の物語を示す:欧州は米国からの指令なくして決断できないというものである。「ドイツは米国のなすがままこの戦争に引きずられています。実際のところショルツは軍備増強を望んでいませんでした。」。

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