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嘘と扇動を政治に利用する緑の党と原発反対派:原子力の存在意義をマルクス主義から読み解く?

ドイツの原発廃止がすでに決定されたことは周知であるが、これは言うなればイデオロギーの勝利を意味する。したがって左翼党がこれを批判するに足りうる根拠があることも事実である。

スイスの記者は、世界第4位の大国が自ら生み出した最新鋭の技術を捨てようとしていることに驚きを隠せなかった。その根拠は政治、文化そして産業分野にある。

時代に逆行する緑の党

まず中道左派からの強力な反対が見られるが、これはかつて中道左派マルクス主義的用語で言うところの最新鋭の生産力である核エネルギーを右派の足元へ投じたのである。

そして19世紀になりいわゆるロマン主義的な思想に基づき、こうした近代的な技術を否定する風潮が生まれたが、これに照らし合わせると緑の党新自由主義というよりはいささか保守的であるように見える。

緑の党左派は、原子力発電所は資本主義の権化であるという考えを元に、資本家の懐を肥やすのみで労働者に還元されることはない限り最新鋭の技術には否定的であるとの見解を示していた。

恐怖の予言

緑の党は出所不明な原子力の危険性を訴えるような文を学校、教会、報道機関、科学を通して広めた。放射線がもたらす癌のリスク、そして核戦争による世界の破滅といったような悍ましい数々の悍ましい言説である。

成功した計画

この核批判の根源には緑の党イデオロギーでもあるいわゆる反近代主義、保守思想による影響が大きいが、キリスト教の経典にも基づく思想でもあるため、メルケルは2011年に特に企業等からの強い反発を受けることなく原発の段階的廃止を決定、進めることができた。

要するに原子力は技術的な問題で否定されてきたのではなく、ある種のマルクス主義的言説によりその存在を否定されてきた側面が強いと思われる。

再生可能エネルギーから化石燃料への逆行

だが恐怖の予言は結果として、核エネルギーが不要で代替が可能であるということを示すのみに終わった。

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