バイエルン州とヘッセン州にて新たな地方選が開催された。FDP、SPD、緑の党ら連立政権構成党が軒並み没落していく中、AfDは躍進する。というのも連立政権の弱点、特に移民政策をうまく突いた結果となった。
バイエルン州、ヘッセン州での地方選はいずれもCDU同盟構成党が勝利を納める結果となった。AfDと自由の有権者も大きく躍進した。一方でベルリンの連立政権にとっては悲報となってしまった。
1. 移民政策を中心に不満を集める連立政権
FDPにとって地方選はとりわけ負け戦が確定している:バイエルン州にてリベラルが勝利する余地は一切なく、ヘッセン州では高く見積もって5%と予想されていた。
もちろん他の政党もこれを笑える立場ではない。緑の党はヘッセン州、バイエルン州のいずれでも約15%となっている。
SPDに関してはもはや何もいうことができない。ヘッセン州では15%、バイエルン州ではなんとわずか8%となった。歴史的な壊滅状態となっている。
これらの大きな要因は、連立政権に対する多くの国民の不満である。
2. 不変のバイエルン
バイエルン州ではCSUが36.4%、自由の有権者が15%を確保している。この数字には反緑の党支持者が多く含まれているが、やはり彼らはいずれも緑の党の移民の受け入れ緩和に強く反対している。
3. 最大の勝者はAfD
世論調査でも高い支持率を誇っていたAfDはバイエルン州、ヘッセン州のいずれでも16%以上を確保する。これは非常に良好な結果と言えるだろう。そして西側では初の第二党となった。
この躍進の要因としてまず挙げられるのが、移民問題である。バイエルン州民の18%は、AfDが強力な移民対策を行うことを期待している。一方でCSUに移民対策を期待しているのは28%となり、実際の得票率を大きく下回ることとなった。:AfD投票者の92%がこう答えた:「AfDなら強力な難民対策を実行できると期待しています。」。
4. もちろん勝者はAfDだけではない
だがCSUも最大の勝者であることを忘れてはいけない。ヘッセン州では35%を確保している。AfD同様反連立政権層を取り込んだことが要因となった。自由の有権者も同様である。
5. 敗者となった左翼陣営
いずれも後退することとなった左翼陣営であるが、2018年と比較した場合、左翼党は3%、緑の党は5%、SPDも5%下落することとなった。