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原子力包囲網を敷かれているドイツ?:欧州原子力発電所分布図

ドバイで開催された22カ国から成る世界気候変動会議、ここには多くの欧州諸国が参加したが、まさに原子力保有者の宴会であった。ドイツは今の所この会からは外れている。原子力発電所分布図によりドイツが多くの原子力に包囲されていることが示される。

ドバイで開催された世界気候変動会議ではもっぱら主題は核エネルギーであった。22カ国が世界の核エネルギーを3倍に増やすための同盟を結成した。ここには多くの欧州諸国が参加しているが、ドイツは蚊帳の外である。

今年4月15日に稼働する最後の3つの原発を停止したドイツ政府は時代に逆行する形となっている。欧州の中でも核エネルギーの再興を最も推進しているのがフランスである。このドイツの隣国は56個の原子炉を保有しており、これが国内の電力の3分の2を賄っている。さらに少なくとも6つ、最高で14つの原子炉が新たに建設される予定である。当然稼働期間も延長される。

この原子力分布図には欧州中の稼働中の原発そして今後建設される予定地が示されている。

In Bau = 建設中

In Betrieb = 稼働中

 

原発産業の再興はいずれも景気回復を期待されている。フランスに隣接する多くの他国にもこの発電方式は浸透していくであろう。新たな原子力同盟に所属する主要国は米国、日本、英国そしてアラブ首長国連邦等である。欧州からはベルギー、フィンランドポーランドスウェーデンそしてウクライナが加わる。

国際原子力組織(IAEO)によると、2023年4月の時点で計439箇所の原子炉が32カ国にて稼働しているとのことである。これは世界の電力のおよそ10%を賄っている。

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