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レオパルド型戦車とM1エイブラムス戦車には差異がない?:非常に似通ったドイツとアメリカの戦車

ミュンスターのドイツ戦車博物館の所長であるラルフ・ラスは、ドイツとアメリカの両主力戦車をほぼ同様であるとみなす。1つの理由:両戦車は共同計画によって開発されていた。ラルフによると両戦車は冷戦期1960年代ドイツとアメリカによって開発・改良されてきた70型戦車を元に作られている。

もちろんわずかながら両戦車には差異もある。全体として戦車の操作は複雑ではあるが”ロケット科学ではない”とラルフは説明する。戦車の装甲、速度、火力がこの両戦車においては実に絶妙なバランスで構成されているとラルフはみなす。

連邦軍はレオパルド2を”追跡捕食者”と命名

連邦軍部はレオパルド2を”追跡捕食者”と命名し、1979年以降様々な状況で戦車を利用してきた。4人の搭乗員が120mmキャノン砲を駆使して5000m先の標的を撃ち抜くことが可能である。何年にも渡り兵器会社クラウス・マフェイ・ウェグマンに開発されてきた追跡戦車は年々強化されてきた。推定64トン重戦車A7Vは巨大なディーゼルモーターによって最高時速63kmでの走行が可能である。このレオパルド2型A7V戦車は3年以内には101両に増産される。旧式戦車は改良または他国に売却されることになっているが、これにはA4とレオパルド1型の最終世代が含まれる。

アメリカは6000両以上の主力戦車保有、対するドイツはわずか300両

国際年間報告誌”軍事バランス2022”によるとドイツが保有するレオパルド2は300両以上である:内225がA5/A6、59がA7/A7Vである。A4が55。

M1エイブラムスのデータを読むとまるでレオパルド2を模写したかのように似通っていることがわかる。M1A1モデル以降120mmキャノン砲を搭載している。

4人の搭乗員は劣化ウランを使用した鋼鉄製の装甲により守られる。また1500馬力のエンジンを搭載した74トン級エイブラムス重戦車は最高時速68kmでの走行が可能である。

レオパルド2とM1エイブラムスの差異は、運転機能と最高速度である

M1エイブラムスは1980年から現在に至るまでに主に3つの種類が存在する。M1に追従する形で、M1A1、M1A2が開発された。”軍事バランス書評”によるとアメリカは6000両以上の主力戦車保有している。M1A1が60、M1M2が2000、そしてさらに両型の予備として3450両。

レオパルドとエイブラムスの差異は実に細かいところにある。:ドイツの戦車が100km走行するのに530Lのディーゼルを必要とするのに対し、M1エイブラムスはガスタービンを動力源としている。ペンタゴンによると1マイルあたり3ガロンのガソリン、つまり100km走行するのに700Lを要する。

さらに両戦車には最高時速の差がある。ドイツ戦車の最高時速63kmに対し、アメリカ戦車は時速にして5km速い。

 

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新たな防衛大臣の就任:ショルツが仕掛けた戦車論争

ボリス・ビストリウスの権力はいかほどか?連邦首相がダボス経済サミットにて沈黙したレオパルド型戦車の供給の議題がこの問いに対する答えを明らかにするだろう。

連立政権が期待するような、ボリス・ビストリウスがいわゆる勇ましい連邦防衛大臣であるかどうかは次週明らかになるであろう。依然としてショルツはウクライナへの主力戦車供給の許可司令を出せていない。

強権的で反フェミニスト的なこの新防衛大臣にはこれをためらわずに決断できることが何より期待されている。

ビストリウスがウクライナへのレオパルド型戦車供給を決断しうる5つの理由

1つ目:ウクライナの防衛及び領土奪還にはこれら戦車が不可欠である。

2つ目:ポーランドフィンランドなどの同盟国からレオパルド型戦車の提供の圧力をかけ、それは連邦首相の戦車提供拒否を晒すような形となった。もう同盟国間の流れに逆らうことはできないであろう。

3つ目:ショルツは未だアメリカとの同盟関係を強化できずにいる。だが戦車提供の決断ができれば、アメリカとの同盟関係を前進させることが見込まれている。

4つ目:ビストリウスにとってこの戦争において目指しているものを明確にする。”ウクライナの勝利あるのみ”。ロシアが勝利しなければ、ウクライナは負けない、と言っている首相とは対照的である。

5つ目:イデオロギーである。ロシアを敵視し、ウクライナによっているという姿勢を示さなければならない。

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警察に連行されるグレタ:過激化する環境活動

火曜日ドイツのリュッチェラートにて環境活動家グレタ・トゥンベアクがデモ行進を先導した。付近の鉱山や発電施設でも抗議活動が確認されている。警察の介入により負傷者が出たことに対し彼女は抗議する。

警察がグレタを強襲

19:02

ドイツのリュッチェラート近郊にて警察はデモ活動を行っていたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベアクを連行した。彼女を含めたこの団体の構成員らは身元確認のために地元警察にて拘留されると木曜日AFP通信筋で明らかになった。

この少し前に、環境活動団体からグレタが逮捕されたという報告があった。警察によると逮捕された人数は延べ二桁に達するという。彼らは身元が確認されるまで警察当局によって拘留される。

警察はリュッチェラートでのデモ行進の列からグレタを引き離す

17:14

デモ隊一向が炭鉱の前に差し掛かった時、グレタは警察によって行進の列から引き離された。目撃者の証言によると、グレタは火曜日のこのデモ行進の中に混ざっており、列の端に移動し停止した際警察に連行されたとのことである。このデモ隊の参加者は60人〜70人であった。

 

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財務省内4部門の長を解任:リンドナー(自由党)による財務省内人員整理

 

連邦財務大臣クリスティアン・リンドナー(FDP)による人員整理が行われた。財務省内4部門の長らが対象となった。

税部門、税関部門、そして中央部門の長らが役職を辞することとなった。そして月末に契機満了を迎える情報技術部門の長の在籍延長は行われない。

 

リンドナーによる人員整理

詳細な人員配置に関しては文書では明らかになっていない。後継者の関しては決定済みであるとのこと。前経済省副大臣のオリバー・ラムプレヒトを中央部門長に添えることとなった。彼の同僚で前税務官のニーリス・バイスを税部門長に添える。税関部門長には、ボンの税関総局副長官だったアーミン・ロルフィンクを当てる。

「これら人員配置転換は、財務省の立場をより一層強固なものとし、長期的な戦略を見据えたものでもあります。」、リンドナーは述べた。

背景にあるのは税務、関税部門の破綻と柔軟性皆無の構造

この大規模人員整理の背景には、税関部門での膨大な資金浄化への対策が追いつかないこと、税務署での相次ぐ年末調整での失策などがあった。

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ベルリン左翼勢力による偽善売国政策:移民の国外退去を阻止?

ベルリンでは現状移民において犯罪者のみが国外追放の対象であるが、これは連立政権の協定によるものである。だがこれに対し激しい抗議の声が上がっている。ベルリン政府は公に偽善的とも言える反応を示す。

出国義務者の国外退去:これは州のみならず国家全体としても長年論争を巻き起こしてきた。ここで論点となるのが、国外退去の対象条件である。これは内政問題である。そしてもう一つの観点が外交政策であり、いわば両方の視点から問題を含んでいることになる。

この論争の中心舞台となっているのが首都ベルリンである。連立政権はほとんどの国外退去を拒否する。人道的観点から犯罪者のみが対象となっている。これは連立政権の協定によるものである。「人道的配慮に欠ける場合、国外退去は免除となり得る。」。

国外退去のない冬

数週間前には約600人が国外退去となった。上院議員アイリス・シュプランガー(SPD)は奇妙な計画を立案し連立の仲間にすり寄る。「移民を差別することは許されません。人道的観点から国外退去は免除しなければなりません。電気もまともに通っていない場所に彼らをおいておくことは人道に反します。今こそ寛容な心で彼らを受け入れましょう。」とファシリ・フランコ緑の党)は述べた。

この発言に対し当然のことながら非難の声が上がる。CDUとCSUはこの連立の協定を無効化するべく動き出す。SPD管轄の連邦内務省は、この国外退去については連邦内及びEU諸国において協力をより一層強化しなければならず、これを拒否する国を批判すべきであると、要求される。

ベルリンへの激しい批判

バイエルン州内務大臣ヨアヒム・ヘアマンは次のように強く批判する:「冬季における国外退去の免除は法的に不可解でこれを実施する義務は一切生じ得ません。」。そして彼の同僚でもあるザクセン州のアーミン・シュスター(CDU)もこれを擁護する。「ベルリンが強行したこの国外退去の免除は独自に実施されたものであり、他の州がこれに追随する義務はありません。」。

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プーチンが連邦情報局に送り込んだスパイ:その素性は軍国主義者?

サッカーの指導者でもあり、ロシア情報局から送り込まれた連邦情報局の長であった。これがプーチンの刺客であるこのスパイ容疑の男の唯一の情報である。

ロシアへの国家機密違反および売国行為。FOCUS onlineが最初にその素性を明かしたカーステン・Lは連邦情報局を震撼させた。彼は比較的目立つ立ち位置に在籍していたため、かろうじてその素性が可能となった。”Spiegel”がさらなる素性を明らかにする。

未だ不明な動機

まさに映画のような出来事である。報道の1週間前にはすでに連邦首相ショルツが連邦情報局内にて情報漏洩に伴う背信行為があったことを公にしていた。この情報の出所は連邦情報局ではなく外国報道機関からのものである。当容疑者の素性はほとんどが不明である。52歳で連邦軍部に匹敵する技術部門に属していたということのみである。

動機は明らかになっていない。借金に追われていたといったような推測が出ているが定かではない。この売国奴とされる人物がなぜロシア秘密情報局に傾倒したかは不明である。

サッカーの指導者でもあった

妻、子供二人とバイエルンの郊外に住んでいた。通常の2倍の敷地に巨大な庭がある住宅である。”Spiegel”が独自に訪問し得た情報では、青年サッカー団の指導者であったとのこと。

質素なドイツ料理を好んでいた

彼の活動記録等はインターネット上からはその痕跡が全て消えている。数少ない個人的なGoogleアカウントでは、美容室や飲食店のレビューなどを行なっている。ニュルンベルクでも活動していた彼は、そこで食べたドイツ料理を素朴で美味しいと評価していた。

ロックではなく軍歌を好む

彼の所持品検査にて新ロシア的な一面を持っていることが発覚した。

彼のGoogleアカウントからYoutubeの閲覧履歴が見つかったが、そこに羅列していたのは数々の勇ましい軍歌、そこにはプロイセンドイツ第三帝国のものも含まれていた。アカウントのプロフィール写真は、ドイツ第三帝国の大鷲が描かれた国旗であった。

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ショルツに圧力をかけるポーランド - SPDが戦車提供を放棄?

ウクライナへドイツ製レオパルド型戦車を提供するべきか否か激しい議論が行われている。SPD一派は論題をずらそうとし、その他外交努力を試みようとする。それでも戦車供給に関する議論は避けられない。

SPDウクライナとロシアの停戦交渉において主導権を握ろうとする。「前提として、戦争は通常戦場にて決着がつくのではありません。」、と党派の声明文にて金曜日に発表された。「長期的な観点からロシア指導部への信頼が存在しない場合でも、対話の可能性は残さなければなりません。」。このことからショルツのプーチンへの電話対談の必要性、正当性が示される。

ランブレヒトの戦車供給への言及:「決定はまだ下されていません。」

2日間の審議の冒頭にて、会派の長であるロルフ・ミュッチェニヒは、木曜日にウクライナへの軍事的支援の継続を発表した。原則主力戦車の供給も含まれている。「赤い線は存在しません。」、とミュッチェニヒは戦車供給議論にて述べた。同盟国と歩調を合わせていくつもりである。これら戦車の供給はウクライナの防衛上不可欠である。だが同時にドイツはこの戦争を激化させないように自重する必要もある。

ポーランドはすでに同盟国と共同でレオパルド2型戦車をウクライナへ供給することを水曜日に表明している。これまでドイツはウクライナに対し軽戦車および必要最低限のマーダー型戦車のみを供給してきた。

SPDの防衛相クリスティーネ・ランブレヒトザクセン州マリエンベアク駐屯軍隊訪問の際、主力戦車の提供がまだ議題に上がっていないことを強調した。「決定はまだ下されていない。」。

戦車供給に触れていないSPDの声明文

SPDの声明文には戦車という語句は一切書かれていない。ドイツはすでに大量の装備と武器をウクライナに提供している、とだけ書かれている。その代わりに終戦に向けていかに外交的努力行なっているかといった内容が綿密に記載されている。「我々はロシア軍を撤退させそして停戦へと導くために、あらゆる努力を行なっています。」。

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