ドイツ国内での個人や企業の電気料金高騰はもはや避けられない事態となっている。にも関わらず連立政権は一向に具体的な対策を示す気配がない。最適な解決策はあるのだろうか?
欧州内でこれほど電気料金が高騰している国はあるだろうか?米国では個人では半分、企業ではおよそ3分の1である。
工業用電気料金は現実的なのか?
このような事態において政府の動きは依然悠長であり、ドイツ企業は投資先の選択に迫られ、税同様電気料金高騰が負担となる。これに伴い連邦経済大臣は工業用電気料金を税収で補うことを発表した。このような公約は2021年の国政選挙にて首相により打ち出されたものであるが、ウクライナ戦争以降ドイツ経済においてこれは望まれてこなかった。
果たしてこの工業用電気料金は現実的なのだろうか?ドイツ国内では現在年間600テラバイトの電力が生産されており、1時間あたりにして6,000億キロワットである。実際に産業にて使用されるのはこの半分以下の2,500億キロワットであると見積もられる。1セントでも安くなれば、合計金額にして20億ユーロのも上る。
原発廃止と水素発電の制限により加速する電力不足
電気料金の大幅値下げを行う場合、1時間1キロワット10セント費やされることとなる。年間200億ユーロ程度では企業への救済としての効果は期待できない。首相が公言していた工業用電気料金とはますます程遠いものとなっている。
経済の立て直しに効果的な政策は未だに連立政権から提示されない。その一方で連立政権による現在進行形の政策、原発廃止、水素発電の制限が電気料金高騰を加速させる。