ドイツ連邦検察局により連邦軍の職員が、ロシア側のスパイ容疑で逮捕された。なおこの男は自らスパイとなることを申し出ていたとのことである。
ドイツ連邦検察局により1人のドイツ人がロシア側のスパイ容疑で逮捕された。当局筋によると、この男は連邦軍にて装備部門、情報技術部門そして軍運用部門に従事していたとのことである。そして昨日逮捕されたこの男の素性が連邦軍所属のトーマス・Hであることが判明した。情報筋では彼はビデオによる罠にかけられたようである。
ベルリンのロシア大使館そしてボン、フランクフルト、ハンブルク、ライプツィヒ、ミュンヘンのロシア領事館の入り口に監視カメラが設置されているが、当時刻そこには驚くべき映像が映されていた。ドイツ治安当局によるビデオ資料の映像にて、トーマス・H.がベルリンのロシア大使館前およびその付近で不審者として数回発見され、観察されているとのことである。
スパイが捕まる:「彼はとても怯えていた。」
「彼はまるで小動物のように怯えていた。」、とこの事件を調査中の連邦犯罪局は比喩した。
トーマス・Hはいわゆる自らを売り込んだ身であり、CIAとFBIはこのような人物を「Walk In」と呼称する。強制されたり、施されたりしたわけではなく自らの意思によるものだからである。しかし諜報員の間でも「Walk In」という名称はあまり認知されていなかった。このような事件ではロシアが関与の有無を考慮し、情報局は人物の採用に関しては非常に慎重になるのが常である。
細心の注意を払っていたロシア
当然ロシア側も、すでに60人に及ぶ外交官がスパイ容疑でドイツ国内から追放されていることもあり、細心の注意を払ってはいた。いずれにせよトーマス・Hにかけられた容疑は「外国勢力の諜報機関の代理人としての行為」(刑法99条)のみであり、課せられるのは罰金刑及び5年間の懲役となる。