ドイツ経済が後退しているのはもはや言うまでもない。主な原因は高騰するエネルギー価格である。今緑の党の政治家がこの状況の打破を試みる。
世界的に経済が上向いている中、ドイツのそれは下降の一途を辿っている。今年度は景気指標が0.4%落ち込んだ。2023年に行われた企業経営者らを対象とした世論調査では実に88%が、政府はこの危機に対する戦略を考えていないと批判の声を挙げた。
ここにきて経済大臣ロバート・ハベック（緑の党）が動きを見せる。
電力量 1 キロワット時あたり 6 セントの補助金
ハベックの産業戦略の中心となるのは、多額の補助金が付いた電力料金である。ロシアのウクライナ侵攻以降エネルギー価格は爆発的に高騰し、電気料金も高騰し、現在では世界最高水準となっている。現在、国民の電気料金は 1 キロワット時あたり 40 セントだが、産業界が支払ったのは 24 セントであった。ハベック氏は数か月間、国家補助による1キロワット時当たり6セントの産業用電力料金の導入を推進してきた。
一向に耳を傾けない連立構成党
ハベックの最大の敵はFDPだ。連立パートナーにとって、予算の統合は問題外である。財務大臣リンドナー（FDP）の予算計画には、数十億ドル相当の追加補助金は含まれていない。
