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スターリンによる”大虐殺” - 歴史を超えた断罪

今日連邦議会では、スターリンがもたらしたソ連の大飢饉及びホロドモールが自国民への大虐殺として認定された。

スターリンがもたらした大飢饉はウクライナに対する大虐殺であるとの判断は、ドイツ政府による3つのシグナルを意味している。プーチンスターリンと同格の犯罪者である。ウクライナは独立国家である。ドイツ人の歴史認識を大きく変える。もっともこれはドイツのウクライナへの贖罪を意味することにはとどまらない。

プーチンスターリンヒトラー - 人類史上最悪の犯罪者トリオ

いずれにせよ、SPD、連合、緑の党、FDPが多数を占める現状の連邦議会にてこのようにスターリンプーチンヒトラーの3人が人類史上最悪の犯罪者としていわば断罪されたのは初めてである。もっともドイツ外相アンネラ・ベアボックはすでにロシアのウクライナ侵攻を市民への虐殺と明言していた。

これまではホロコーストへの槍玉として使用されてきた手法である。今や矛先は過去のものみにならず、現在進行しているウクライナ戦争にも挙がっている。より一層アナロジーが重視されているのは間違いないであろう。

悪いドイツの良心?

連邦議会ではこの短期間ですでに3回大虐殺に対する断罪が行われている。そこには毎回ドイツのいわば悪い良心が付き纏ってくる。歴史を振り返ることは自らの傷口を抉る行為でもある。ですが過去と現在を切り離すことは不可能である。

6ヶ月前にもドイツはオスマン帝国内のアルメニア人の抗議活動に対する弾圧を取り上げ、これを持ってトルコを断罪していた。当時同盟国としてこの虐殺を見逃していたドイツは共犯者として見られていた。

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