ベルリン情報発信サイト

ドイツ、ベルリンについての情報を日々発信しています

「我々がロシアと交戦中ですって?」:ベアボックの勇ましい宣戦布告?

アンネラ・ベアボックのあの発言が今ロシアで大きく取り上げられている。このような現状のドイツ外交・安全保障政策に国民は不安を感じている。

連邦外務大臣はそれなりに国民からの人気が高いが、ある種連邦外務大臣の伝統的なものでもある。だが欧州では戦争時には、とりわけ外国語で発言を行う場合一語一句が重要な役割を果たすことになる。

そして連邦外務大臣が今週犯した過ちは、周到な準備によって防ぐことが可能なものであった。46のEU加盟国が参加する欧州議会の直前、ベアボックが用意した原稿にはこう書かれていた。「We are fighting a war against Russia.」:我々はロシアとの戦争を戦っている?

ベアボックと宣戦布告:「我々は戦争の真っ只中にいる。」、我々?

我々?もちろんこれは、モスクワ側が強調しているものであり、ロシア国内の情報媒介機関が流布した大統領府の宣伝であるのだが。

いずれにせよこのことはドイツ国民に、連邦の外交および安全保障政策の不十分・不安定さを認識させる結果となるであろう。日曜日に連邦外務大臣はパリにて、ドイツが近々レオパルド戦車の供給許可を認定することになると述べた。

火曜日の晩に連邦政府は各報道機関に対し、ウクライナへの戦車供与が決定されたことを報じさせた。水曜日には、連邦首相は政府としての声明文は出さずに、連邦議会にて自ら発表した。なぜ今このようになったのかという問いに対し首相は、現在も戦車を提供しているアメリカにのみ言及する。

国民の支持を得たい外交政策、だがうまくいかず

我々はなおもロシア軍の攻撃対象となり多くの民間人が命を落としているウクライナへの軍事支援の必要性について数週間、数ヶ月に渡り議論を重ねてきた。連邦政府議会で常に問われてきたのが、アメリカの動向であった。ウクライナの軍事的状況とロシア軍の大規模攻撃計画はおおよそ武器供与の考慮対象にはなり得なかった。そのため連邦政府は国民が納得し得る回答を用意できていない。

そして連邦外務大臣は支援反対者を納得させうるような言い回しをうまいこと活用しようとする。未だ外交・安全保障政策はこの困難な状況にて国民の信頼を得るには至っていない。

 

www.focus.de