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4両のT-72で1両のレオパルド戦車に対抗?:世界最強戦車の投入にモスクワ側が選択する対抗策とは

西側のウクライナへの戦車提供がロシアを追い詰める。プーチンは物量のみをもってして対抗しうるであろう。西側にとっては時間との戦いにもなる。

ドイツ連邦首相オラフ・ショルツの”Go”サインにより欧州中の拘束状態が一斉に破られる。NATO加盟国およびアメリカから100〜150両の主力戦車が早くも来週ウクライナへと到着することとなっている。

これがプーチンを追い詰める。ロシアは現状西側に匹敵する性能をもった戦車を保有していない。彼に残された希望は:”物量”。

「推測するに、ロシアは10,000〜11,000両の戦車を保有しています。」

2022年2月24日にウクライナへ侵攻した時点で、ロシアで稼働可能な戦車はわずか1100両であった。これは連邦軍のそれの4倍に当たる。連邦軍は欧州ではロシアに次ぐ2番目に強力な戦車軍団である。

ロシア軍は多くのウクライナの装備を破壊・無力化している。西側は旧式のソビエト戦車を投入することで対抗した。しかしこれらの在庫はほぼ底をついているため、今後は西側の戦車が入ってくることとなる。これら西側戦車はロシア戦車に性能で優っているため、プーチンが頭を抱えることは間違いないであろう。

またロシア軍は戦車の大量損失に対応しなければならなかった。開戦時3,300両であった戦車数は2,000両前後まで減少した。「推測するに、ロシアは現在部分的に修理中の10,000〜11,000両の戦車を保有しています。」、とオーストリア軍親衛隊司令官マークス・ライズナーは述べた。

「レオパルド1両に対し、4両のT-72が必要です。」

性能で上回る西側戦車に対抗する手段は、物量作戦しかないということはプーチンも認識しているところである。第二次世界大戦末期にアメリカ軍がドイツのティーガー1両に対し、5両のシャーマン戦車をぶつけたように。「技術的に劣っているため、物量で押し切るしかないことはロシアも当然認識しています。」とライズナーは述べる。「4両のT-72をもってしてレオパルド戦車を1両を倒す。」。

ロシアのニジニ・タギル市に位置する、世界最大級の巨大戦車工場ではおよそ1時間単位で戦車の製造、修理が行われている。ロシアには戦車増産の土台となる国力が備わっている。「最新の材料が手に入らなくとも、それをものともしない物量が備わっています。」。

 

 

ロシアにとっては時間との戦いである

西側よりも優位に立つため、プーチンは残忍な戦略を追求する。西側戦車部隊が戦線に到着する前に、可能な限りウクライナに戦車を投入し先制攻撃を仕掛けようとする。ライズナーは危惧する:「西側戦車部隊が予定通り戦線に到着できる保証はありません。」。

オーストリアの軍事専門家は、来月にはロシア軍は新たに2000両の戦車を投入すると予測する。そうなるとウクライナ軍は4000両のロシア戦車に対処しなければならないであろう。

 

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