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終戦から遠ざかるウクライナ戦争:ミュンヘン安全保障会議での結論とは?

ミュンヘン安全保障会議の主題となったのは当然ウクライナ戦争である。しかし終戦への兆しは一向に見られない。運命はロシア大統領府に委ねられる。

プーチンが勝利するとすれば、これは始まりに過ぎません。」、とミュンヘン安全保障会議にて連邦防衛大臣ピストリウスは語った。国際社会はジレンマに陥っている。和平交渉についても具体的な展望が見えない状況となっている。

終戦への解決は未だ示されず

ロシアへの領土割譲は最悪な結果となり得るだろう。連邦外相アナレーナ・ベアボックはこれを要点に挙げる。「このような領土の譲渡は国際的な正義及び国際秩序の終わりを意味することになります。」。これまた大々的な会議ではあったものの、和平への具体的な案は示されなかった。唯一の可能性、それは非現実的であるが。:それはプーチンの降伏、またはロシア軍部隊の撤退である。

ウクライナ外相クレバはモスクワに対し持続的な安全保障を要求する。「プーチンが生きている限り、問題は解決しません。」。「ウクライナはさまざまな要因から、プーチンに脅迫されている状況です」、とクレバ外相は加えた。モスクワでの政権交代があればその時間はウクライナにとって絶好の機会となり得る、とクレバ外相は付け加えた。「それがいつかはわかりません。ですから今は戦いに専念しなければなりません。」。

中国との対話を除けば、これがいわば当会議の主旨であった。米国務長官ブリンケンが強調する:「ウクライナが戦いを止めることはウクライナの終了を意味します。」。このため長期的な抵抗を可能とするべく、武器、弾薬類の安定供給が確約されなければならない。あらゆる形の和平は国連憲章に則って執り行われなければならない。「武力をもって他国の主権を侵害することは如何なる場合も認められません。」。

長期戦に備えるベアボック

ウクライナ支援がヨーロッパの安全保障上必要であるとの見解をベアボックは明確に示した。「ウクライナそして大陸全体の平和のために、今しばらく耐える必要があります。」。

だがこの先は明らかである。和平に向けての出発点は未だ定まっていない。2014年ロシアはクリミアの併合を強行し国際法を破った。「我々は8年間複数の道を模索していました。しかし解決への道筋を示してくれるものはいませんでした。」、とクレバ外相はミュンヘン国際安全保障会議にて訴えた。ロシアの侵攻を受けてもなおNATOウクライナの加盟を考慮すらしてくれなかった、とクレバ外相は強調した。

戦局を好転させるには、戦車、武器、弾薬類の提供のみでは不十分である、とベアボックは改めて訴えた:「私は具体的な言葉を好みます。世界には弾薬をたっぷりと蓄えている国々が存在します。今こそそれらを使用する時です。」、と彼女は産業大国ドイツに目を向けた。何国かはこの戦争をヨーロッパ全体の戦いであると認識する。:「ウクライナ側に立つこと、それは民主主義の側に立つことです。」。

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