ドイツがエネルギー危機に瀕している中、ロバート・ハベックは功罪を残してきた。そして彼はとりわけ緑の党のイデオロギーとも言えるプラグマティッシュでもあった。2022年のハベックの功罪を振り返る。
元シーメンスの長ジョエ・カエザーのように手放しでハベックを賞賛しひざまずくことに待ったをかける。この大臣は良くも悪くも経済、環境問題において就任一年目にして多くの衝撃を与えてきた。彼は他の緑の党員よりもプラグマティズムを強調してきた。
また彼にとってはドイツの経済的地位よりも気候変動の方が優先順位が高いものであった。
その結果彼は下院の多くの役職に緑の党関連団体の代表らを配置した。まさにイデオロギー政権となった所以である。
ロバート・ハベック「プラグマティズムこそ緑の党の哲学である」
2022年早々に東欧で戦争が勃発した。ドイツおよびドイツ企業はエネルギーにおいて多大な影響を受けることとなった。もしプーチンがノルトストリーム1を停止していなければ、我々は今でもクレムリンに戦争資金を垂れ流していたであろう。価値の体系から対外貿易が注目されることはあまりなかった。
ドイツがエネルギー危機に瀕している時、ハベックを動かしていたのは緑の党の哲学でもあるプラグマティズムであった。
彼は停止していた石炭火力発電所を再稼働させ、液体ガス輸入のための港湾基地を建設したが、同時にシュレスヴィッヒ・ホルシュタインの環境大臣の立場としてはそれを拒否していたにもかかわらず。この環境大臣は最短で来年4月までの原発3基により電力を確保した。
当初電力不足を認識していなかったため、ガスの供給体制構築に失敗する
だがこのような彼のプラグマティズム的な対応はこの危機下において機能しなかった。電力不足を認識していなかった彼はガスの供給に関して多大な失敗を犯してきた。
それらを取り戻すべくいわゆる戦力の逐次投入方式で国民へジョウロの如く支援金の配布を行うもののもはや焼石に水であった。