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プーチンにとどめを刺すことを躊躇するショルツ:戦車提供を断念

ラムシュタイン米軍基地での会合で期待される決断は幻となった。ウクライナの希望の光が絶たれた。救世主はやってこない。非常に残念な結果となってしまったのか。

ラムシュタイン米軍基地でのNATO防衛会合は何の成果も上がらずに幕を閉じた。ショルツはウクライナにとって救いの手となる主力戦車供給を相変わらず差し伸べずにいる。米国もエイブラムスの供給を断念した。一体この会合は何だったのか?

少なくとも団結に不足は見られなかったはずだが。「これほどまでに世界が一致団結したのをみたことはない。」、と米軍参謀総長マーク・ミリーは述べた。数十億ドルもの支援金が投入されることとなった。これはいわばプーチンへの降伏勧告である。

 

 

心強い支援、だが十分ではない?

米国単独のみで防空システムを伴いおよそ250億ドル、そのほかブラッドリー型戦車59両、アベンジャー型防空システム、1000もの銃器類。ドイツが提供するのは、40両の装甲輸送車、7つのガーパード型防空システム、そしてパトリオット型防空システムと弾薬類。物資類は10億ユーロに上る。

そしてNATOは民主主義陣営の団結を示す。英国とフランスは支援を発表したが、最新型の戦車供給が含まれる。「時が迫っている。」、とNATO事務総長シュトルテンベアクは述べた。この戦争は交渉をもってして集結せしめる。そのためには戦局を優位に持っていくことが必須である、とシュトルテンベアクは考える。だがそれらの思いとは対極に、ショルツは主力戦車供給を一貫して拒否する。

ショルツが頑なに戦車供給へと動かない理由は?

「供給するもしないもそれぞれに正当な理由があります。」、このように述べるショルツの腹心である新防衛大臣は、ショルツが決断さえすればすぐに実行に移せると考える。前任のクリスティーネ・ランブレヒトが公に避けてきた課題。

その理由はショルツが戦車供給を実行する気配が皆無であったからなのか?もしくは彼女に先見の明が欠けていたのか?だがこの教養の欠如はそれほど致命的なものではない:開戦後11ヶ月の時点で連邦政府は可能な戦車供給数についてすら把握していなかった。ショルツの躊躇はおそらく連邦軍部の状態に影響されてのものであった可能性もある。

プーチンにとどめを刺すことを躊躇するショルツ

だが何よりもショルツはNATO分断の絵面は避けようとするが、すでに遅かった。アメリカを何としても味方に引き入れようと画策する。エイブラムス型戦車はその複雑な仕組みと燃料消費量は多いことからウクライナ戦線には適していない。これが米国が供給を断念した理由であれば合点がいく。

ドイツが躊躇している間にも、他国はずっと前から戦車供給を決定していた。欧州諸国で出動待機している戦車は、ドイツ製のレオパルド型であるため、ドイツが投入を決断しなければ動くことができない。このレオパルド型戦車が戦局を大きく変えると考察する専門家もいる。

 

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